ゲイリー冨久津

ハンテッド 狩られる夜のゲイリー冨久津のネタバレレビュー・内容・結末

ハンテッド 狩られる夜(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランク・カルフンが監督を務めたサバイバルスリラー。
2015年のスペイン映画「シャドウ・スナイパー」が原案。

フランスの人たちで作った、アメリカの社会問題を盛り込んだスリラー。

主人公は白人女性。
遠方での仕事を終えて同僚の男性と車で帰宅途中、暗闇にポツンと一軒あるガソリンスタンドに立ち寄る。

併設しているコンビニ内で買い物するも店員が見当たらず、お金だけ置いて出ようとするも狙撃され、出れない。
犯人は逆光の向こうにいる為、見えない。

生き残れるのか?
どのように脱出するのか?

貧しい白人層と社会的信用のあるエリート層の代表同士の闘いといった感じ。
現実に起こり得る、若しくは起こっているお話し。

ハラハラ感はありつつも、映画は犯人と主人公の会話が中心でした。
延々と語られる社会への恨みつらみは少しクドく感じた所もあったし、コンビニ内の商品を上手く利用した攻略といったものも、思ったほど見られない。

ですが、ラストに向けて犯人と主人公とは別の第三者の視点が追加される事で、映画の見方が変化して、めっちゃ良かったです。

子供の目から見れば、どちらも恐怖の対象でしかないのです。
それぞれの正義など関係ないのです。

終始漂う重ーい緊張感も良し。
グロさや痛いシーンもなかなか良かったし、主人公を演じたカミーユ・ロウは最初から最後まで出ずっぱりで見事でした。

ラストに映るのは一本道の国道。
少女が夜明けの陽に照らされた道を走って行きます。

彼女の行く末が幸せであるように。
ゲイリー冨久津

ゲイリー冨久津