ホーガン

毒娘のホーガンのレビュー・感想・評価

毒娘(2024年製作の映画)
3.8
この人の作品ならばどんな内容の作品でも見に行く!という内藤瑛亮監督の新作。

少年少女たちの復讐や過度な同調、行き過ぎた暴力であっても、それらを青春として描いてきた内藤監督。本作も「家族だから」という枠を呪縛として捉えながら、その呪縛をあっさりと破壊する子供の青春と、そんな子供に看過された大人の成長を描く。家族という呪縛を描く過程で展開される夫のモラハラや妻の夫に従うばかりの態度にイライラさせられ放しで、それを破壊する子供たちの青春はカタルシスを生む。

元々はインターネット掲示板の投稿をモチーフにしているようだが、子供を不幸にする「毒親」がいるのであれば、大人を不幸にする「毒娘」がいてもおかしくはないんだろうな、という発想から生まれたタイトルと想像する。そんな毒娘、ちーちゃんのアナーキーっぷりは爽快で、神出鬼没っぷりと不死身っぷりはマイケル・マイヤーズやジェイソンを彷彿とさせる。毒娘の両親の微妙な不気味さも良いね。フランチャイズの予感がある。

警察沙汰にしない夫や無能な警察というリアリティの無さは没入感を阻害するが、内藤印の暴力青春映画としては十分に楽しかった。
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