義民伝兵衛と蝉時雨

ゴースト・トロピックの義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)
3.3
ファーストショット、その後の夕焼け、
息を呑むような美しい流れ、それだけに竜頭蛇尾な印象を受けたことも否めない、
アケルマン監督「一晩中」ならぬ、
現代社会、ブリュッセル、中年女性の一晩の思いもよらない放浪の旅、
他者、犬、娘、奇しき月下の出会いや別れ、
夜、夢、魂、都市のネオンや超自然的体験、
人生には一時たりとも同じ瞬間はなく、無常、天から刺す穏やかな日光に照らし出される青い春の希望、人生のどの瞬間に置いても既に全ては存在している。
まず音楽の使い方がキマりすぎていることが強く気になり始め、竜の頭なる魔法は徐々に解けていった。取り分けラストカットの誇大的な美的描写は甘ったるすぎて、トドメと言わんばかりに土俵から押し出された。