ゴースト・トロピックのKT77のレビュー・感想・評価

終電を寝過ごしたために歩いて帰ることになった女性の話。

日常生活のワンシーンをそのまま切り取ったようなシーンが続く。効果音もなくその場の音のみなのが、リアルさをより伝えている。しかも、特別なことは起こらない。

明るい昼間ではなく夜の場面を設定したことで、華やかなブリュッセルの裏に隠れる移民の貧困や孤独がより浮かび上がるように見えた。

「これらにこそ、道道しく詳しきことはあらめ」は源氏物語の一節だが、映画も人の世とそこに生きる人々のリアルな道理を映し出しているのだろう。
2024-7

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