Atoru

ゴースト・トロピックのAtoruのレビュー・感想・評価

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)
-
2月 @Bunkamura ル・シネマ

自分は夜に街を歩くのが好きだ。

だから単純に、自分と同じように"夜映画"を欲している人にはおすすめしたい。
シャルタン・アケルマンの「一晩中」、ジャームッシュの「Night on Earth 」、ウッディアレンの「Midnight in Paris」、ドキュメンタリーの「眠れぬ夜の仕事図鑑」なども。

Bruxellesを含むフランダース地方へは一人で二回行ったことがある。
その時も自分は彼女のように夜に歩いていた。

時間帯が変わると馴染みある場所でも見たことのない表情を知ることになる。
主人公の彼女は、その時間のその場所には普段いるはずのない人である。
その時間帯の住人から見れば、彼女は"道に迷う旅行者"のように、いるはずのない助けるべき存在という事になる。

仕事で疲れて電車で寝過ごすというありふれた出来事から、普段なら接触するはずがない者同士がささやかに交わり助け合って互いの人生(犬生)に少しだけでも関与するという内容が、とても繊細で心地良い映画。
奥床しい映画。
Atoru

Atoru