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ゴースト・トロピックのmのレビュー・感想・評価

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)
4.8
同じバス・ドゥヴォス監督作品だと「Here」よりはこちらの方がまだとっつきやすい印象はある。でも個人的には「Here」の方が好き。

仕事帰りの終電で居眠りして寝過ごしてしまった清掃作業員の女性が、人気の少ない夜の街を歩いて家まで帰ろうとするその道中の出会いと別れの物語。本当にバス監督の物語の着眼点が良すぎる。
「Here」同様に、日常からほんの少し外れた所にあるささやかな非日常の物語を通して描かれる、街と人・人と人との繋がり。こちらも16mmフィルムの美しい画と、観客を包み込むような音響が素晴らしい。この監督の映画は絶対映画館向けだな。

犬だったりコンビニの店員さんだったり様々な出会いがどれも印象的で、中でも娘の『娘』ではない顔を見てしまう所がなんとも言えない感覚になる。

「Here」の主人公がこちらでは1シーン出演の警備員として良い味出してたり、今作の主人公は「Here」で1シーン出演していたり、とそれぞれの作品で役者がクロスしているのもなんか良い。

「Here」もそうだったのだけど、キャスト・スタッフを全て同等に扱い尊重するような、この監督の映画のエンドクレジットの出し方が凄く好き。
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