何もない、だけどそれがいい。この映画を観て面白い、楽しい、悲しい、とかそういった感情なんて一切湧かないし本当に最初から最後まで一貫して無の感情になるんだけど、それが自分には有意義な時間の流れ方になりますね。普通の一人の掃除婦の夜をただひたすら無機質で質素に映すだけ、それでいいんだと思いました。こんなんでいいのよね何もかも。作風とか写し方に注目すると、こういう類って誰かに似るものだなと思うけど、本作のバス・ドゥヴォス監督はそれが全く感じられなくて、独自路線のこれからを切り拓いていく新しい人が出てきたなと思いました。良い作品でした。
