楽園の雨のなかの男のネタバレレビュー・内容・結末

U-NEXTで鑑賞。これは走る映画だ。狭い四角い箱の中で少年たちは来る自由のために鬱屈とした日々を送る。彼らはそこで別れの寂しさや絶望を経験しながらも、最後は走る。あのほとばしる様はとにかく喜ばしい。最後の脱出の場面は最後まで駆け抜けてこのまま物語そのものも終われと願わずにはいられない。残念ながら二人の脱走はすぐに失敗するが、それでもこの映画は最後の最後まで少年が走ることを祝福する。より不自由で閉鎖的な空間に追いやられても、少年はそこに希望を見つける。やがて重い足取りは軽やかに希望に向かって走り始め、そこで映画は終わる。こんな素晴らしい映画久々に観たよ。本当に良かった。『楽園』ってタイトルもいいね。