映像と音の素晴らしさに圧倒されました。
どの場面を切り取っても一枚の絵のよう。教会。ホテルの部屋や廊下。終始靄のたなびく郊外(温泉の湯気か)。雪降るラストシーン。
雨音。水の滴り。電動鋸(? あの家に打ち付けられた板を切る音?)。中国の歌(お経ですよね?)。
と、雰囲気だけ楽しむなら高評価。ただ、どうしてもストーリーを追って理解したいという欲望はもだし難く。パンフを読んでわかったような気になろうとしても、いや無理無理。
家族と共に自分も家に閉じ込めて七年間のあの親父が、腐敗した資本主義から国民を守ろうとしたソヴィエト政府の暗喩なのだとしたら、ブロンズの馬に跨ってアジった後の焼身自殺の意味するところは? そもそもこの見立て自体妥当なのかどうか。
ましてあの主人公が何を意図して行動しているのかなんて、終始わからず。
事前に予習して先入観たっぷりで見ないといかんのかね?