いんしょーと

記憶の居所のいんしょーとのレビュー・感想・評価

記憶の居所(2023年製作の映画)
3.7
「朝をさがして」との二本立て上映で。
3編の記憶に関するオムニバス。

最初の「味の記憶」が一番確かな形を持っていて。映画の中でこの一編を思い出す時、最後に光の下を進む彼らの後ろ姿がよみがえり、その後ろに物語を思い出す感覚が不思議。
次の記憶は、モノローグで語られる。自分で自分の記憶を思い出しながら、再度脳に焼き付けていくような感覚。どんどん上書きされていく記憶。不思議と覚えがある。
最後の記憶は、もっと原始的な感覚。もう掴むことは出来ないけれど、確かに自分を構成する一部をつくっている…気がする、遥か昔の記憶。色ももうついていないけれど、イメージとして残っている記憶。

全然関連のない短編集のようであり、「記憶の居所」というタイトルで、その繋がりを考え、記憶を辿る旅についていくと、面白い。やっぱり常間地監督、気になる存在です。