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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)の趣味のレビュー・感想・評価

4.6
全体としての印象はまあ及第点。ハロ嫁、黒鉄はやっぱり色々あるけど、すごい作品だったと思うんだけど、今作はなんていうか普通って感じがした。

んだけども少し時間が経って振り返ってみると、事件や謎解きのシナリオは結構面白いし、その結末も好き。

ではなぜあまり印象に残らない出来なのか。

やはり監督の手腕にある気がする。

確かに今作、最初から最後まで怒涛の展開が連続するため緩急が作りづらいというのはあると思う。しかし、それをコントロールするのが監督の仕事なのではと思うのだが、今作は本当に緩急がなく、全体として印象に残りやすいシーンが少ないように感じる。だから面白い謎解きや結末があまり効いてこないように感じる気がするし、クライマックスのアクションも盛り上がりに欠ける気がする。

そう言われると、永岡監督過去作品の紺青も緋色も盛り上げ方が上手くなく、いまいちノリきれないことがあったこと思い出し、僕はつくづく永岡監督と相性が悪いんだなぁと実感。

煽られてたキッドの真実、確かにすごい真実なんだけどある意味予想がついてたからやっぱりか、という感じではあった。ただその明かし方がオシャレでそこは良かった!!

あと今作、音楽が微妙で印象に残るものが少なかった。菅野祐悟には期待してたんだけどなぁ。残念。

【追記4/27】
公開から時間が経ち、色々整理できたのでまとめる。

今作、欠点は色々あるけど個人的には前作、『黒鉄の魚影』よりも好きかもしれない。

というのも今作の脚本、シナリオが圧倒的に好きということが、やはり時間が経つにつれてわかった。宝探し謎解きミステリ、このテイストがやはり絶妙にコナンリアリティのラインで良いし、ラストの謎解きも楽しい。お宝争奪が始まる感じもワクワクするし、その先にある宝の正体も納得のいくものであり、切なさも感じるものなのが素晴らしい。前作も素晴らしい脚本だったと思うが、やはりミステリというよりは黒の組織と灰原を巡るサスペンスという感じで事件や謎解き要素みたいなものの楽しさはあまりない。個人的には今作のような少し懐かしいコナン映画味も感じる脚本はどストライクに好き。もはや大倉さんはコナンに欠かせない脚本家になったのではないか!?

ただやはり永岡監督。うーーんやはりこの方だけは僕との相性が悪い。静野監督もそうなんだけど、自分達は理解しているから、ちょっと不親切な説明や雑な解説で通りすぎることが多い。今作がてんこ盛りで難しいという印象を抱く人が多いのもわかる。僕も実際、細かいところは2回目以降に納得したところがある。
あとアクションシーン。すごく嫌な言い方になるけど、ただ単に派手なカメラワークとエフェクトをつけるだけで、あまりにもありえない動きをするシーンが多いのはやっぱり気になる。あと、この監督全体的にアクションに重さが感じられなくて、格闘シーンや飛行シーンがすごく不自然に見えるのはわざとだろうか。『ハロウィン』の3年前のシーンや、『黒鉄』の灰原誘拐の一連のアクションが良かっただけに今作のアクションシーンはちょっと残念なところが多かった。

ただラストシーンの一連の流れは内容は正直予想できるものだったけど、演出がオシャレで良かった。あそこの絵コンテが永岡監督らしいので、そこに関してはありがとうございます!という感じです。

こんな感じです。来年は小五郎が活躍するかもなので本当に楽しみ。ローテ的には櫻井さんが脚本ですよね。櫻井さん久々に制約が少なそうなメンツの脚本なので、『絶海』や『ゼロ』のような櫻井さんの得意分野を活かした事件に期待したい。『緋色』や『黒鉄』はメンツ的に制約が多く、その中でやりくりするのが非常に大変そうな印象があったので笑
監督は誰だろう。個人的には満仲さんか立川さんが良いけど。満仲さんの2作目みたいな。

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