ふな

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)のふなのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

コナンは詳しくないが気軽に鑑賞できる映画だった。本作のポイントは、キッドが追っているお宝とは何なのか、そして平次から和葉への告白である。
それぞれ感想として面白いと感じた部分を取り上げていく。

・キッドが追っているお宝
お宝の正体ではなく、道標を頼りに進んでいく過程が面白かった。
コナンとキッド、平次のコンビネーションが噛み合っており見応えがあった。今作も無茶なシーンはありつつも、アクションとして楽しめた。作画がよく変わるのは今の流行りなのだろうか。
特にコナンとキッドの2人の関係性について明かされたことがあり私は驚いたのだが……既に明かされている情報なのかは不明。映画で答え合わせさせてもらえるとは思っていなかった。

話は変わるが、キッド登場時の音楽は私の好みではなかった。サーカス感のある楽しげな曲調で曲自体は好きなのだが、私の怪盗キッドとのイメージとは少し違った。
私のイメージの怪盗キッドは「月夜」と「華麗さ」であり、まさに「紺青の拳」の主題歌「BLUE SAPPHIRE」のような曲調がピッタリな人物だと考えている。私の好みではなかったが、賑やかさのある今回の音楽はキッドの本作のイメージ感を伝える重要な部分だったように思う。

・平次の告白
私はコナンの中では平次が一番好きなキャラクターなので、本作の山場だと思っている。
正直、平次が和葉に告白するなら、平次がピンチの時にここぞという場面で「和葉ァー!お前が好きなんやあー!!」と遠くから大きな声で叫んで伝えていそうなイメージがあった。
それが全く違った。こんなにも丁寧で綺麗に描かれるとは思ってもいなかった。
平次を嫉妬させて焦らせたり、お揃いの御守りを何度も映したり、何より平次の言葉の1つ1つがとても彼らしく、丁寧な印象を受けた。
また、キャラクターの新たな一面を観れたのが良かった。例えば、平次の「100万ドルの夜景はビッグベンより上か?」という台詞。ここでも新一への対抗心を持っているのかと驚いてしまった。本人は真剣だったのが面白い。一方の蘭も恋バナのノリではしゃいだりせず、かと言って勝手に世話を焼くわけでもなく、友達としてそっと応援する様子が可愛らしかった。
少女漫画的な展開でも短い時間の中で大切にしてくれたことが、私はとても嬉しかった。

また話が変わってしまうが、和葉が髪を下ろした姿が可愛くて、今回は彼女の勝ち気さよりも女の子らしさが目立っていたことが印象的だった。

キッドと平次、どちらがメインなんだろうと思いながら鑑賞したが、どちらも重要で意味のある映画だったと思う。
コナンの好敵手である怪盗キッドとの対決を見たい方は本作では物足りないだろうが、平次と和葉の関係を見守っている方にはオススメしたい映画だ。
ふな

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