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テルマ&ルイーズ 4KのOKkynのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
3.8
初見。リドリースコット作のフェミ映画であり、見終わった後スッキリする! という感想を目にして鑑賞したが、えーちっともすっきりしない、むしろもやもや。

映画的にはレベル高いのはわかる。ふたりが抱えているバックグラウンドゆえの逃走、疾走感、ハーヴェイカイテルという救い、グランドキャニオンなどの美しい景色を眺めながらのドライブ、カーアクションなど、映画的なおもしろさてんこ盛りなのだけど、あんなことしないと自分を解放できないことも、つかまるくらいならと最後まで車を走らせるという決断も、違和感しか覚えない。

いや、十歩下がってそれを映画的演出としよう。それはめちゃおもしろい。でも、あれを見てスッキリするってどんな感覚なんだろう。いまもあの時と女性をめぐる状況ってさほど変わってないよねーと崖に向かってダイブするのか。

画面の美しさ、キラキラ感からは正反対の感覚。胸のあたりにぽっかり虚無の闇が広がる。せつなさ。
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