このレビューはネタバレを含みます
ブレーキ(倫理観)をぶっ壊した車が、颯爽と心を駆け抜けていった春の嵐の日
この映画を手を繋いで横並びで一緒に観たい友達がたくさんいる。ひとりひとりの顔が浮かんで、それはとても心強く幸せだと思った。
さいっっっこうすぎた
冒頭10分で2人のキャラがわかる
ロードムービーであり、クライムムービーてあり、逃走劇であり、青春映画であり、西部劇リスペクトであり、最高峰のシスターフッド映画。
ハルの存在はでかい。
彼がいたから死は敗北だという気持ちも起きた
彼女たちが死ぬことは、真実(女性が社会で置かれている立場)を世に説明できる機会を逃したということ。
そう思えるのは、彼女たちの動機、彼女たちがその行為に至った理由、社会の歪みを含めて理解して、2人に向き合おうとしたハルがいたから
2人の車が最後の最後のエンジンをフルスロットにしてかけていくのを、捕まえるかのように追いつかないのに必死に走る彼の姿に救われた
でも、同時に最高の相手と自分立場世界で一番最強だと実感している絶頂のタイミングで死ぬなら今だと思い、アクセルを思い切り踏めるのも羨ましいくらいかっこいい
テルマが奪われた時はルイーズが、ルイーズが奪われた時はテルマが
それぞれが、相手のために立ち上がって、変わる
最後の逃走シーン良すぎ
2人の車が先頭を走って、その跡を扇状に警察車が追いかける
サンドイッチみたいな映画
2転、3転して面をひっくり返すたびに違う色とか具材がででくる
楽しく笑い合って、最強の2人でクソみたいな男をやっつけたと思えば、金や尊厳を奪われる。喧嘩もするし、でっかい声で歌いあって笑いもするし、真剣な顔でNOだって突きつける
直面することも、2人の感情もどんどん変わって展開していくけど、決して辻褄があわないことはなく、おいてかれもしない
常に女が性的な消費の的でもあるけど、そこに2人が反逆していく。中指を立てていく
ルイーズの過去が最後まで語られないのも良かった。その痛みは直接的に言及されないからこそ、言葉にできない痛みだと、それほどのものだと、想像の中でそれぞれの大きさ、重さになって乗ってくる
ルイーズのパートナーカッコいい
テルマが最後の別れをする時の顔がすごく沢山の感情を持つ重奏的な表情でとてもいい
言葉はあの感情を表現するのには適していない媒体で、表情だけが表現できる
2人がすごく対照的
世間知らずと自律的
思考とその場のノリ(感情)
女の子っぽさとかっこよさ
セックスするシーンがある、ない
白い衣装は沢山の人がいるバーですごく映える
最初はスカートだけどだんだんズボンになっていく
でかいスクリーンで見るべき映画
2人の顔とか、車がバーンと写ったり、ガーっと走り抜けていくのが本当にカッコいい
颯爽としている
強盗をした時2人は真にイーブンになった
警官と話しているときに一人で死ぬのかと思った
殺人の方が罪が重いから
でも、その迷いを、テルマが包んで一緒のアクセルを踏ませた
春の嵐みたいな映画
暖かく、冷たく、荒れ狂っているかど光りもさして入り
ハロルドとモード
さらば青春の光