三日連続ピザ

リトル・バットマン クリスマスの大冒険の三日連続ピザのレビュー・感想・評価

2.0
絵が可愛い
途中でモノクロになるシーンが、絵本の描きタッチとコミックス味をうまく表現していたと思う

レゴ・ザ・バットマンが子ども向けでありながら、バットマンのマッチョイズムと孤独を拗らせた有害さを的確に表現をしていたのに対して、本作のバットマンはそこまで行き着けていない。

結局昔からのバットマンにあるような暴力での解決や強い立場としてのバットマンを子どもバットマンにやらせていただけではないか。そちらの方向に振り切れば良いものの、破壊者としてのヒーローという描写、ジョーカーへの配慮シーンもあり、近作のヒーロー映画で指摘されるようなマッチョイズムの有害性も描かれているのが、どっちつかずに感じられた。

この映画微妙かもと真っ先に思ったのが、アーカム精神病院を排除して、孤児院を作ったというシーンがあったからだ。
精神病院は悪ではないし、社会で弱者を排除することが正義だという間違ったメッセージを子ども向け映画でするのはどうなのだろう。
また、太った女性の裸婦像を使ったギャグ、ペンギンが歳をとっていることを嘲笑するなど、今では笑わないようなギャグもあり、制作者のリテラシーの低さを垣間見た。

昔の映画はもちろん仕方がないが、新しい映画を見るときは、やはり新しい表現や考え方も摂取したいため、下らない嘲笑に時間を使うほどヒマではないと思ってしまう。
そういう意味で本作は評価できない。
三日連続ピザ

三日連続ピザ