けーはち

リトル・バットマン クリスマスの大冒険のけーはちのレビュー・感想・評価

3.3
バットマン=ブルース・ウェインの息子ダミアン・ウェインが、クリスマスの夜、父親不在の館に侵入した悪党を迎え撃つ「ホーム・アローン」をやるも、少年の「父親に認められたい」という幼く危うい自己中心的な意地はゴッサムシティのヴィランたちに利用され──見た目は共にイカれたコスプレ野郎であるが、ヒーローとヴィランを分かつ精神性はいったい何か。いかにもカートゥーンアニメな画で、クリスマスのハッピーな祝祭感に任せた珍騒動をやる軽くて見やすい作品ではあるものの、テーマとしてはDCやMARVELで繰り返されてきたヒーロー映画における最も脂の乗った大トロの部分がドンとお出しされる。ダミアンに託されたスーツにパパ・バットマンAIが搭載されており、これが彼のピンチを身を挺して救うことになるのが面白く、AIというガワを介してソフトにしているが本質は「父の犠牲」を乗り越える成長、これぞバットマンのスピンオフと言える。