フクロウ

かづゑ的のフクロウのレビュー・感想・評価

かづゑ的(2023年製作の映画)
4.6
結局、撮影時92歳まで生きた(2024年現在もお元気にご存命)、その宮崎かづゑさんの人生の記録、なのだろう。92歳にもなれば、酢いも甘いも、善悪も、その彼岸に立つ、ということ(諦観)なのだろうと思う。「ハンセン病ではなく、癩病だ」「入浴の様子をこそ撮影してくれ」「『ふるさと』は演奏してくれるな」と言うかづゑさんの率直な物言いと飾らない言葉は、観る者に刺さるだろう。「かわいそうなハンセン病患者」というステロタイプで見えなくなっている、実際のハンセン病患者、もとい、一人の人間の話。障害や病気は人間性を剥奪はしないし、できない。これもかづゑさんの言うとおり。アメリカだと、「障害者」ではなく「障害を持つアメリカ人」という捉え方をし、障害が人格の本質化することを慎重に避けている印象。
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