国立ハンセン病療養所で約80年暮らす、宮崎かづゑさんを追ったドキュメンタリー。
あえて「らい」という言葉を選び、「天国で地獄」と呼ぶ明らかに隔離された環境で、子供の頃から住み、ほぼ一生を過ごすことがどれほどの事か想像も付かないけど、あらゆる苦難を乗り越えて「生きた」と自信を持って言うかづゑさんに勇気づけられる。
印象的だったのは、慰問団が童謡「ふるさと」を歌ったことに語気を強めたこと。故郷に帰りたくても帰れない人、家族とも疎遠になった人の前に歌うことがどれほど残酷な事なんだろう。
それでも、かづゑさんは家族の愛を受けていて、それが母親の眠るお墓にしがみつき帰ろうとしないことからも分かる。
もう一つ。冒頭から90歳という年齢にしては肌が若く感じたんだけど、その理由が終盤明かされる。全く想像の付かない事だった。
知らないことが多すぎる。
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