かわたん

落第はしたけれどのかわたんのレビュー・感想・評価

落第はしたけれど(1930年製作の映画)
4.0
『落第はしたけれど』というタイトルから、落第する展開までは前提にある訳だが、落第するまででも様々な演出で楽しめる。「パン」の字の影絵や、落第組が並んで歩く姿やダンス(膝を使った後ろノリ、軽快なboxステップ、Groovyな腰使い)、カンニングのコミカルな演出など。
落第決定後の演出も面白かった。首吊り縄を連想させるかのような、校務課のランプの吊り糸(二回出てくる)。主人公が爪切りで首の辺りをなぞるショット→足袋が転がるショット→足の爪切りをするショットとかも見事に緊張と緩和が生まれている。
どうでも良いが眼鏡の少年が「落第ってなんだい?」と繰り返し尋ねるのは何かの洒落なんだろうか。
最後の場面でも、足の動きの連動や手拍子、振り付けといった具合にリズムが視覚化される。サイレントでも、聴覚的なイメージが連想されるようになってる。
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