フクロウ

クラメルカガリのフクロウのレビュー・感想・評価

クラメルカガリ(2024年製作の映画)
5.0
世界観というか、大正ロマン的なテイストを炭鉱は会社街の箱庭空間でやるのは好きだなー。大正小噺みたいなやつも、貸本屋の絡繰も、複雑な街も、それに炭鉱の穴をめぐるトリックも、京極堂的訳知りメガネも、旧軍も、特務部隊も。しかし大体この手の怪異譚に大正ロマンを混ぜると京極夏彦が出力されるな…。そしてかつての「泰平」前身企業による無人殺傷絡繰による事故──もちろん2024年の無人ドローンの示唆だろう。

カメラにザラシというか、蜘蛛の巣というか、そういうレンズと被写体の間にザラザラした何かが挟まる演出(撮影?)も嫌いではないが、少々意図は掴み損ねた。後で指摘するように、ただ雰囲気に流されただけではないことを祈る。

ただ、明治から昭和が時間的分節なしに、ただ雰囲気だけで、ちょうどさながら『千本桜』あるいは『千年女優』のように一体化していたのは気になった。あと脚本がもう少しどうにかならなかったのか。加えて、オーイシマサヨシがエンディングなのも気に食わない。
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