こずえもん

クラメルカガリのこずえもんのネタバレレビュー・内容・結末

クラメルカガリ(2024年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

良作。
世界観、音楽、台詞回しが面白い。
シナリオに関しては、成田良悟さんの癖がかなり見られる作品。
デュラララが好きならこの作品も楽しめる。

ただし、成田良悟の新しい側面は微塵も見られない。
ある程度、成田作品に触れていると既視感を覚える箇所が複数あった。
チート能力対戦、重い過去持ち、かっこいい場面が一瞬でかっこ悪くなる、ほぼ外野の主人公。
これらすべてデュラララとバッカーノで見たものなので終始、成田作品だなという感想しか沸かなかった。

特に気になったのは主人公の役割だ。
成田さんが群像劇好きなのはわかる。
でも、タイトルがクラメルカガリなのに、主人公カガリがあまりにも外野なのはどうかと思った。
今回の騒動を解決したのは伊勢屋の旦那と朽縄博士だ。
ほぼこの二人が中心のお話だった。
カガリの活躍どころはない。
謎が解決しないのはいい。
チート能力も、重い過去持ちキャラも全然いい。
でも、主人公であるカガリはせめて何かしら活躍させてほしかった。
ユウヤの命を救ったところ?
あれは活躍とは言えないだろう。
数秒で助かったし、シーンとして薄い。
目に見えてカガリが成長する展開もなかったし、なんなら成長したのはユウヤのほうだ。
つまずくこともなく、気づきを得ることも、あるいは何かしらの力や才能や自分の歪みによって覚醒することもなく、薄く居るだけの主人公。
カガリが主人公だと思ってたけど違った?とシンプルに思ってしまった。

映画館で見て損はない。
ただ個人的には、悪くないけどもうこれ他の成田作品で見たよという感想だった。