くまねこ

ジョン・レノン 失われた週末のくまねこのレビュー・感想・評価

3.7
「ジョン・レノン 失われた週末』
渋谷ユーロライブでの試写会で鑑賞。
ビートルズ、ジョン・レノンのファンは必見の良質なドキュメンタリー映画。

ジョン・レノンとオノ・ヨーコが別居していた1973年秋からの18ヶ月、いわゆる「失われた週末」期の真実に迫るドキュメンタリー映画。

レノンの個人秘書だった、中国系米国人、メイ・パン史観で語る真実のストーリー。
そもそも、失われた週末というフレーズはオノ・ヨーコ側の表現であり、当時20代前半のメイ・パンからしたら蜜月の季節だったのかも知れない。(このプロットで切ないラブストーリー映画が作れそうな気がする)

メイ・パンの存在は知ってたが、長年のファンでさえも初めて聞くエピソードやプライベートな未公開写真の連続に驚いた。従来のジョン・レノン情報はオノ・ヨーコ史観の、統制されたものである事も痛感した。

メイ・パンの雇い主であるオノ・ヨーコの強い進言(命令)でジョンと愛人関係になったという事実に驚く。目の届く範囲でレノンと距離を置こうと画策したオノ・ヨーコの思惑がはずれ、メイ・パンと本気になってしまったレノン。檻から抜け出し、鳥のように自由になりたかったのかも…。

音信不通だった息子、ジュリアンと父親レノンとの絆を取り戻そうと苦労したメイ・パンのエピソードは泣けた。レノンが公私共にメイ・パンを信頼し、愛した理由はここにあると思う。

終盤、インタビュー撮影中のジュリアン・レノンのもとに突然現れる現在のメイ・パンの姿と彼らの揺るぎい絆に胸が熱くなった…。充実期のジョン・レノン研究として非常に意義深いドキュメンタリーだった。

(メモ)
メイ・パンはジョン・レノンと恋愛関係を経て、1989-2000年までトニー・ヴィスコンティと結婚していたという事実にも驚いた!
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