ヴレア

トラペジウムのヴレアのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.6
アイドルっていいな。私もアイドル目指そうかな?
とはならない映画だった。
単にキラキラした世界ではなく負の側面も大いに描写しているからだ。
それは主に主人公の性格に起因している所が大きい。
とにかくアイドルになりたい主人公、東が計画的にアイドルを目指して行く所から始める。
自分一人では無理だというのは分かっていて、まずはアイドルユニットを結成しようとする所が導入であり、そこが一番面白い所だった。
人をスカウトして仲間を増やして行くという展開は「七人の侍」に代表されるようにとてもワクワクさせる展開だ。
しかし、観客目線では東が他の仲間を半ば騙しているというのが見え隠れする為、純粋に楽しい展開ではなく、サスペンスの予感をさせる不穏さがピリピリと伝わって来る。
本当に東に対しては怒りたくなってしまうが、あまりにも自分の欲望に素直過ぎて真っ直ぐな為、逆に清々しいというか人間味を感じさせるのだった。
一昔前ならそんなトントン拍子にアイドルになれるなんて都合良過ぎない?と思う所だが、ワンバズりでブレイクするチャンスに溢れる現代においてはあり得るかもと思わせるのだった。
アイドルを目指す少女の成長譚としてはとても興味深い内容だった。
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