おにおに

トラペジウムのおにおにのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
4.5
「トラペジウム」とは、オリオン星雲の中心部にある四つの重星(接近して見える恒星)のこと。
その位置関係から「不等辺四角形」(どちらの二つの辺も平行でない四角形)を意味する。


MOVIX川口で鑑賞。初週のレイトショー

先日、aikoが出るので「名探偵コナン」を同劇場の同時間帯に観たのですが、そのときはぜんぜん違う動員数。
10人くらいだったんではないですかねぇ。「名探偵コナン」の威力はすごいね。

別の映画を見に行ったときの予告編でみて気になっていた映画でした。
予備知識は「元アイドルが原作小説」っていうことくらい。

感想は書くけど、ネタバレはなしで書こうとおもいます。


まぁ

「アイドルが夢でした!」
「アイドルなれました!」
「いろいろつらいこともあったけどがんばってます!」
「キラキラのステージさいこう!」
「がんばった先に観た景色さいこう!」
「ステージシーンさいこうブヒブヒ!」

みたいな?
そういう単純なアイドル映画ではないものを期待していきました。

なんですが、前半は「ちょっとおもってたのと違ったかも・・」「はずしたかもこれ・・」ってなって。

「そうはならないだろ!」「なんでそうしたいの?(そうなっていく動機がよくわからない)」みたいにおもいながら。

↑映画をみるにあたって、こういうのはあんまり気にならないタイプの観客だと自分は思ってますが、さすがに設定に無理があるなぁ、とおもってみてました。
まぁでもとにもかくにも、そういうふうに話が進まないことにはいけないのだろう、とそこは深くつっこまずにみる。


そしたら後半からがすばらしくよくなりました・・

前半に感じたそうした「違和感」はきっと正常な感覚で、後半への布石というかギミックだったんだなと、あとから振り返ればすごく思えた。

「元」アイドルのひとが原作といいました。
これは「元」アイドル、やりきったひとが振り返って書いた映画なんだっていうのが、すごく納得できた。

ラストは感動がありました。タイトル回収もしっかりあって、エンディングロール。

「方位自身」。

この映画にふさわしい、マッチした、いい曲でしたねぇ。

そんな有名なアーティストではないんだろうけど、例えば「トットちゃん」のEDのあいみょんの歌よりこっちのがぜんぜんいい、とおもえた。


なんでそんな「東西南北」にこだわったか(それも「強引」に感じるくらいに)なんか全部見終わったらわかったような気がしました。

うまくつくられた映画だった!

これはよい映画だとおもいます。2回目みようかな?とおもえるくらいには。


キャラクターデザインいいですね。好みです。けろりらさん神。

余談ですが、映画が始まる直前に予告編があるでしょ。「ぼっち・ざ・ろっく!」の劇場版予告編で早くも泣きそうになってました。
ぼっち・ざ・ろっくまじで楽しみ(ほんと余談ですまんね)


舞台は南房総なんですかね?あのお城は大多喜城でしょうか。
あの景色のよい公園の高台もモデルの場所があるんでしょうねぇ。
「アニメ作品」としての、そういう風景画もとてもきれいでよかったです。

…とおもったら、原作者が南房総出身で、市の観光大使なんですね。あとで検索してそうと知って納得。

★は高いぞ。これはよい映画だ。
少なくともこのあいだみた「名探偵コナン」よりはだいぶ上。
「駒田蒸留所へようこそ」「アリスとテレスのまぼろし工場」よりちょい上か、くらいの★4.5でお願いします。
おにおに

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