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トラペジウムのnomoreのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.8
「はじめてアイドルを見たとき思ったの。人間って光るんだって」

アイドルだけじゃない、自分のやりたいことをやっている人は光ってる。

私は最高のキャリア教育映画として観た。

歌番組などで男女問わずアイドルグループを見ていると単純に凄いと思う。

顔面力やスタイルはもちろんであるが、ダンスや歌など努力が垣間見えているから。

しかし、人気稼業の宿命、常に好感度は落とせず、ネットでは誹謗中傷に晒される。
足の引っ張り合いもあるだろう。

相当メンタル強くないとやっていけない。

アイドルにメンヘラが多いと言われるのも理解できる。
(逆手にとった"メンヘラアイドル"もいますよね)

この映画はアイドルを目指す若者だけでなく、これからキャリアを築こうとする人たちの参考になるのではないか。

自己目標の立て方
自己プロデュース力
巻き込み力
友だち力
立ち直り力(グリッド)
総合としての人間力

タイトルの「トラペジウム」のように、4人がアイドルの星として光り輝く。
だが、それぞれの思いは別々で「不等辺四角形」のように歪になりグループは崩壊していく。

失敗し、互いに傷つくが、そこから学びを得ていく。
それぞれの夢に改めて気づき、それぞれのキャリアの方位を選んで向かっていく。

(エンディング曲は劇中CVたちが歌う"方位自身"という曲でした。作詞は高山一実)

自分のやりたいことはなんなのか?
そこに向かうにはどうしたらいいのか?

乃木坂46のメンバーであった高山一実だからこそ描けたアイドルを目指す世界。
それは誰しもが経験するキャリア形成の物語でもあるのだ。

自分のやりたいことと、世間と他人との折り合いをつけながら進んでいくしかないのだ。
"天才"以外はね。
メンタルをやられながら。

大変な世界を生きるアイドルたち。
これからもアイドルたちを愛でていこう。
彼ら彼女らの思いや努力を感じながら。
笑顔の裏にある狂気や闇もね。


余談
高山一実と西野七瀬がまさかの人たちの声優で出演してたのが嬉しかった。

原作単行本は、高山一実とカバーイラストに魅かれて5年くらい前の発売当初に既読。
もちろん内容はほとんど忘れていた。
読み返しもせず。
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