しいなず

トラペジウムのしいなずのネタバレレビュー・内容・結末

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

Twitterで誇張したレビューが炎上してたので見に行ったミーハー。
結果から言うと、詰め込みすぎて説明不足。
だが話を綺麗にまとめている感じがあって(アニメ化だからかもしれないが)普通の面白さだった。
アイドルシーンがちょっと3Dの出来が粗く感じたのは少し残念。

主人公はサイコパスとかTwitterでは言われていたけど、あれは単に中学の頃カナダにいたから(※口頭でそう言われるだけで、詳細は描かれない)非言語コミュニケーションに疎くなったり、言われない感情面を慮れなくなったり、そういった日本文化的なコミュニケーションにちょっと馴染めなかっただけなんじゃないだろうか。
計算高くて、熱意があって、有言実行する。きっとアイドルになる才能を誰よりも持っていた分、陰口を言われていることには(恐らくネットに書いてあったから)気づいても、くるみ(西)たちの密かなついていけなさに気づくことは出来なかったのかもしれない。
そのしわ寄せと言うべきか、ケア担当を年長者の蘭子(南)が結果的に一人きりで担ってしまっていたのも良くなかった。
作中では主人公の東がアイドルになりたい理由は明確には明かされない(オープニングでそれっぽい演出はある)が、それも人一倍アイドルになりたいからこそ、彼女の中でアイドルになりたいのが当たり前すぎて透明化してしまったのかもしれない。
小学校の頃いっしょだった亀井(北)に過去の自分について聞いたシーンからも、自我の強さが幼い頃からあったのがわかる。
そう考えると、やはりサイコパスという言葉はちょっと違う気がする。なにより彼女は自我を貫き通した結果で人を傷つけたことに気づけている。これがほかのサイコパスと呼ばれるようなキャラクターだったらそうはいかないだろう。
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