ヤバい映画だという評判を聞いて、なんか事故が起こってる映画かと思ったら意外とそうでもない。ちゃんと黒を黒として描こうとする有毒作。打算的に交友関係を築いたり、ボランティア活動に臨む主人公は確かに感ジは悪いけど、その思惑が明らかになったとて全てが「無し」にはならない。
映画を観た人には好感度が低そうな東ちゃんだけど、私はあんまり嫌いになれないどころか人間臭すぎて結構好き。みんなで文化祭ライブを観にいくのは断念できるんだとか、しょっぱなの好感度が低そうな工藤くんも突き放しまではしないんだとかディテールが悪魔じゃない。この人、人間だ。
マイナスなポイントとしてはいくらなんでもそのお嬢様キャラは漫画すぎるだろ、とかお爺ちゃんの声がお爺ちゃんじゃなさすぎるとかはフツーにちょっと冷める。いくら主人公が邪悪だからってゲスト声優の使い方まで悪ノリしなくていいよ。