きのはる

トラペジウムのきのはるのネタバレレビュー・内容・結末

トラペジウム(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんか事前に感想で「主人公がサイコパス」とか聞いていたからそのつもりで見に行ったら全然サイコパスじゃなくて拍子抜けした。

主人公は普通よりは可愛くてコミュ力があって努力できるけど没個性的。アイドルのオーディションにも落ち続けていたので自分で個性的なメンバーを集めアイドルグループを作ろうと画策する。それも予め決めていたストーリーを偶然を装って少しずつ現実にするという尋常じゃない執念を感じさせるもので、紆余曲折あってアイドルとしてデビューできるんだけど、集めた仲間は別にアイドルになりたかったわけではないので段々不穏になっていく(ここ、見てて凄く心苦しかった。蘭子ちゃんの心が強かったのだけが救いだった)が、最終的に主人公は夢を叶える。ってのが大まかなストーリー。

本当にサイコパス系主人公なら三人を踏み台にしてのし上がっていただろうから、これはただの思春期の暴走と言える。主人公が三人に当たりが強かったのは「自分がアイドルとしてデビューさせてあげたのに!」という押し付けがましさと「みんな私よりアイドルとしての素養ありまくりなのに頑張らないのは贅沢!」という劣等感があったのだろうな。私は主人公のこと、結構好きだよ。

あとは結構ご都合主義的展開だったかなあ。特に主人公が仲間にした三人が偶々孤立していて友達がいなかったところとか。

最後エンドロールとともに星街すいせいの歌が流れると思っていたからそこもちょっと残念だったなー
きのはる

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