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トラペジウムのmasayaのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.5
ただただアイドルになりたい少女が手段・ストーリーとして仲間を集めデビューしたけれど、結局グループは空中分解するという異形のアイドル立志伝。どこまでも当然の結末でもある。映画の限られた尺の中で説明不足な所は、自分でアイドル/アイドルアニメ文脈を学びなさいということなんでしょうかね。

とにかく感じたのはファンや世間の反響が数字でしか表されない不気味さ。オタクや視聴者の姿は、いいねやファンレターの数でしか描かれない。メンバー誰一人として自分たちのファンについて言及しない。一体彼女達は何を見て何を目指してるのか。

序盤の"仲間集め"の流れは完全に鬼退治のそれなのに、桃太郎役が目的を告げないのは詐欺だよなと思った。もし告げていたらこのイヌサルキジが付いてきたかどうかは微妙だけど、少なくとも誠実さは残る。自己中心的になってまでなりたいんだろうけど、そこの理由も彼女は説明不十分なんだよなあ。
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