JIZE

ため息に乾杯のJIZEのレビュー・感想・評価

ため息に乾杯(2024年製作の映画)
2.7
有名作家の夫を亡くしたアーティストが親友たちと自分探しのためパリ旅行へ出発する様を描きだす。トリオものセラピームービー。オープニングの小洒落た映像の感じはウディ・アレンの作品と見間違いそうになる。またダニエル・レヴィ監督主演による初の長編で、NETFLIXにて昨日から独占配信。おもにキャラクターが行く先々でさまざまな出来事に遭遇し自分が抱えていた秘密やそれ以上のつらい事実と闇に向き合う成長譚のストーリーのテイをとる。なんてことない日常のやりとりが穏やかに描写され、当人が抱え込む事実が他者から覗いたときに重く感じたり軽く感じたり、特にそこへLGBTの複雑な事情を盛り込むためその振り幅を魅せつけられる。ルーク・エヴァンスの出演シーンももう少し観たかった。舞台のパリの情景や街並みももちろん美しいが、それ以上に人間の思考の豊かさを奮い起こすような作品である。
JIZE

JIZE