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悪魔のシスター デジタルリマスター版のwayfarerのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

シネマート新宿で「悪魔のシスター」(デジタルリマスター版)を見ました。ブライアン・デ・パルマ監督の初期のスリラー作品です。

あらすじは、主人公の女性ダニエルの周辺で凄惨な殺人事件が起こります。犯行の一部を偶然目撃した女性記者が真実を探るうちに、ダニエルがシャム双生児として生まれ、妹のドミニクとの分離手術を受けていたという過去に行き着く・・、そんな話です。

ここまでは予告編から分かる内容であり、この映画には更なる秘密があるのですが、それほど意表を突く秘密ではなく、映画の割と早い段階でその内容が想像付きました。そんなわけで、全体的に意外性のないストーリー展開が続き、いまいち物足りなく感じました。

重要な役どころである女性記者も、騒々しくてキャラが魅力的とは思えないうえ、核心に迫りつつも肝心なところでしくじるという、ドジでコミカルな(または見ている側をイラつかせる)描かれ方をしていて、作品の緊迫感を削いでいたように思います。

なんというか、観客を本気で怖がらせるつもりがないのかな?と思いました。上に書いた秘密も、たいして引っ張らずに中盤でサラリと明かされますし。最初の殺人シーンが良かっただけに、その後の女性記者の空回りの連続がとても邪魔くさく思えて・・。

デ・パルマ監督の物語の異常性を強調する演出や、キンキンと神経に障るバーナード・ハーマンの音楽など、傑出しているところもあると思うのですが、肝心のストーリーには残念ながら引き込まれませんでした。
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