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Civil War(原題)のkamuroのネタバレレビュー・内容・結末

Civil War(原題)(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

間違いなく「2024年といえばこの映画」と言われるような作品。歴史に残る一作。

わたしもその場にいるような錯覚に陥り、映画を見ながら「お願いだから殺さないでください」と祈ったのは初めてだった。スクリーンの向こう側の銃口があんなに恐ろしく感じたことはなかった。
家でサブスクで映画を見ると「情報を処理している」気分になるが、この映画はまさに「追体験」だった。
この様な映画があるからこそ、映画館で映画を見る意味は死なないと思う。

内戦の理由については拍子抜けするくらい触れられないけど、作中の台詞にもあるように、殺し合う理由なんてわからないのだ。向こうが撃ってくる、だからこちらも撃ち返すしかない。

結局死ぬのはアジア人と黒人なんだな、と残念だったが、それはこの映画が人種的要素に無自覚なのではなく、実際に死ぬのは有色人種が遥かに多いだろうという悲痛な現実を冷徹なまでに見つめた結果なのだと思う。

ジェシー、見ていてイライラしたが若い白人女という時点で死なないんだろうなとは思ってたよ。ほぼジェシーがみんなを殺したようなものだし、不用意な言動が仲間たちを死に至らしめる恐ろしさを学んだ。

明らかに悲愴な場面でポップな音楽が流れたりして、「あれ、ここ笑っていいとこ!?」と情緒がバグったが、あれは戦争状態になると精神が錯乱することの現れなのだろうか。

兵士たちが戦場カメラマンたちも守っていて驚いた。わたしが兵士だったら絶対盾にしてるよ…。

この映画が、遠くない未来の話になりそうな現実が一番恐ろしい。

@The space cinema moderno
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