舞帝

RHEINGOLD ラインゴールドの舞帝のレビュー・感想・評価

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)
3.7
予告編(特にナレーション)から、娯楽向けかと思いこんでいたが、序盤から青年期は社会派ドラマの様相を見せる。
欧州のヒップホップの実情は全くわからないが、祖国・移民・差別・宗教といったUSとは異なる土壌風土の下で形成されたその文化はオリジナリティもありながら、ヒップホップ共通のテーマである"どん底からの脱出"は変わらない。
その生き方も考えも同意できることばかりではないが、カターの物事を前へと動かしていく強靭な意志、楽観的かと思えば無常観を垣間見せる複雑な人間性が魅力的。
特に相手をまっすぐに見据える力強い瞳の輝きがとても印象深い。
ただ、音楽に対する姿勢は正直そこまでの熱量を感じなかった。音源もツボに入らず。

………やはりドイツ人にとって、ライン川は日本人にとっての富士山のような精神的な象徴なんだろうか。
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