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RHEINGOLD ラインゴールドのEDDIEのレビュー・感想・評価

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)
4.4
飛んで火に入る夏の虫とはこのことだ!
実在のラッパー兼音楽プロデューサー、カターの半生を奇想天外に描くシリアスコメディ。人生を好転させたいのに全てが裏目に出てしまう運命に翻弄される男。
エンディング曲聴き終えるまで席は立てない!

めっちゃ面白かった!
これは2024年愛着枠ですねぇ。
上半期ベスト10には入れたいところです。
映画観終わった後にAppleMusicでXatar検索した時点でハマっちゃってますよね。
昨年でいう『レッドロケット』枠でしょうか。シリアスなのに笑えるんですよ、これが。

物心ついた時から刑務所で過ごし、血の気の多さからトラブルメイカー。ただ最初からそうだったわけではなく、貫く意志の強さが彼を強くしました。
喧嘩で負けたから、今度から負けないようにと格闘技を身につける。片っ端から喧嘩で酷い目に遭わせた奴らに復讐を遂げていく。
こんな彼の成長を見せられながらも、人間的な成長は二の次。結局同じように失敗を繰り返し、何回も警察のお世話になり、人生の多くの時間を刑務所で過ごしてしまったジワ・ハジャビ。
“カター”という呼び名は劇中に説明が出てくるわけだが、彼は人生の中で間違いなく“カター”だったし、ただ自分のできること、やりたいことを貫いたからこそ、今の成功があるのだろう。

“やり抜く力”とはベストセラー書籍のタイトルにもなっているが、“やり切る力”というのも重要なのかもしれない。
ラッパーとしてのサクセスストーリー?否、彼自身が歩んできた道こそがラップのリリックなのだ。だからこそ、エンドロールで聴く彼の音楽は冷静には聴くことができない。

本当に最高な映画だった。

〈キャスト〉
ジワ・ハジャビ/カター(エミリオ・サクラヤ)
ラサル(モナ・ピルザダ)
エグバル・ハジャビ(カルド・ラザーディ)
シリン(ソゴル・ファガーニ)
サミー(フセイン・トップ)
ミラン(アルマン・カシャニ)
マエストロ(デニス・モシット)

※2024年新作映画48本目
※2024年劇場鑑賞47本目
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