爆風がなり響く戦場の中に生まれ、最初の記憶は刑務所の男。
ただ過去生を語る中で少年時代の音楽家になりそうな道から一転。悪行三昧の人生を突き進んでいく、破天荒でどん底に沈んだ半生からラインゴールドを掴んだラッパーのクルド人の男・ジワの物語とカタルシス。
客観的に見れば少なくとも捕まるまでも度々音楽家としていくらでも選択肢はあったように見えるんだけど、結局その道を選べずにどん底に突き進んで行かければ現在のジワはあり得ないし、もし選択肢を得らればそれはまた別の人生を突き進んだ男になる。
世界像的には人生もこの映画も縦なのを改めて感じる。
ただ全体を見ればそう思うが、見ている最中は有耶無耶で腑に落ちず、度々悪行と音楽に狭間で揺れてる男だと思っている節はある。
ピアノの鍵盤を間に介した時間の端折り方や、警察車両が通るところのスロー。ある場面ではビデオカメラを使った映像などを用いた小気味な演出などが印象的だろう。序盤にある古い時代の場面とかアス比を4:3にしているのはいいけど、ただ正直映像構成は現代的すぎてあまり古い時代というのは感じ取れず個人的に煮えきれず。
