柏エシディシ

RHEINGOLD ラインゴールドの柏エシディシのレビュー・感想・評価

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)
3.0
ゲットーに生まれ育った少年が、生きるために犯罪に手を染めつつも、音楽の才能で成り上がる物語。
なんてお馴染みのHIPHOP的ストーリーに、クルド人弾圧やイスラム社会の混迷と移民2世としての監督自身の視点が入りひと味違う映画になっている。
ここに来てファティ・アキン歴代最高のヒット作との事。
あまりにも驚きの物語ながら、これが実話ベースというのが面白すぎる。
クライマックスの獄中レコーディングは実際はデビューアルバムでは無いそうだが。
それでいてラストの寓話の様な締めは、全てはラッパー的なハッタリかもね?という目配せの様で面白い。
クライムドラマとしての見応えはありつつも、"悪そなやつはだいたいトモダチ"的なコメディ感覚は直近で復習した「ソウルキッチン」にも通じるノリ。
呵責無い現実を描きながらも人間讃歌を思わせるファティ・アキンらしい個性が光る。
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