つぐみ

RHEINGOLD ラインゴールドのつぐみのレビュー・感想・評価

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)
3.9
Mark忘れてた。ファティ・アキン監督作はなるべく観ようとしている、やっぱりいいな、ルーツやオリジンに根差したストーリーは毎回ブレがないのに全然手癖みたいなものがない。

波瀾万丈の人生って月並みな言葉だけどジワほどこの表現がハマる人おるかねってくらい数奇な運命を辿っている。序盤、クルド人迫害をもっとフォーカスするのかと思ったら、シフトチェンジにびっくり、そして惹き込まれる。
生まれ方(生まれ方としかいいようがないやつ)からもう尋常じゃない、でもあの当時はあんな生まれ方した人も結構いるのかな〜事実は小説より奇なりと言うからね…

音楽の才能を見出されたかと思いきや半ば不可抗力でギャングに成り下がり成り上がり。コンプトンともデトロイトとも違うTHUGシティ、ボン。一瞬ケルン出てきて高まったけど、確かにあそこもちょっとやさぐれ感あったもんな〜

めちゃくちゃ危なくて暴力的なのに、悲壮感が漂わない、なんだったらちょっと小ボケで和ませてくるところもあって、これは移民の国ゆえのおおらかさでもあるんだろうか。緊張感はあるけどヒリヒリしないというか。粉吸ってても別に堕ちてない、這い上がるなんてたいそうなものじゃなくて、転んだらとりあえず起きとくか、みたいな腰の軽さは監督やその親、祖父母世代が経験してきたものの分母のでかさなんだろうな。

破茶滅茶だけど、人生讃歌の趣もあって、本当にこの監督は掴めなくて面白い、後半ちょっと長すぎたのでもう少しテンポ良くして欲しかったけど。

辰巳より前に見てたんだけど、歯を抜く描写のある映画を立て続けに見るとは思わなかった。
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