たかちゃん

水深ゼロメートルからのたかちゃんのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.9
徳島市立高等学校演劇部生徒の戯曲の映画化。『アルプススタンドのはじの方』も面白かったが、あちらは集団劇だったのに対し、本作は4人の女子高生と女性教師(プラス野球部マネージャーの女子生徒)と少人数で、その分生徒たちの個性が浮き彫りになる。メイク、椅子を使った水泳、ボール、砂、箒とバケツ、阿波踊り。それにマネージャーのすぐ落とすペットボトルという簡潔な設定だけの性格描写の巧さ。教師と生徒の感情の激突の中に、無意味な校則に対する抗議がある。個性の表現を押さえつけていることに気づかない鈍感な教師。メイクも踊りも個性の自己表現なのだ。
みんな礼儀正しく、気持ちが良い。仲良しでいじめも不良もいないような学校に見えるが、それは舞台を経て、無用な描写を省き、推敲を重ねた結果であろう。きちんと山下印の烙印。
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