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水深ゼロメートルからのBremingerのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
2.3
青い空に白い雲が大好きなもんで、こういうポスターを見ちゃうとアニメだろうと実写だろうとなんでも食いついてしまう人間です。
「アルプススタンドのはしのほう」は正直ハマらなかったんですが、今作は山下監督が携わっているというのが興味を持つ理由になっていました。予告の雰囲気なんかも良さそうでしたし。

んーこれじゃない!感が強すぎて、90分切る上映時間なのに長く感じてしまいました。
最初の「見んといてー!」のところがピークでした。

阿波踊りをするのがとある理由で恥ずかしいミク、水泳部だけど大会の応援に行ってないチズル、気だるげな雰囲気の1軍女子ココロ、あとチズルの先輩のユイと先生と登場人物はだいぶ絞られていてその中で展開されるシチュエーションものです。

ココロがどうにもキャラクター的にも立場的にも邪魔でした。掃除をしないなら帰ればいいのにウダウダウダウダと愚痴を言ったり、その癖悪態はつきまくって火種を着けたり、果てはジェンダーに辿り着いたりと、性別によって共感できるポイント・懐疑的な目で見るポイントに分かれるんだとは思うんですが、途中からはもう何の話だ?と言わんばかりにジェンダー論というか差別的な男性像の応酬で、男がなんだ女がなんだと言い出した辺りからこの手の水掛け論がとても苦手なので、キッツってなりながら観ていました。

生徒4人(といっても先輩は出番少なめ)と先生との構図も多く観られるのですが、先生はなんであんな喧嘩腰なの?と思いましたが、生理だったりのがあるのかなとは思いつつも、それを経験したことのない身からするとどうにも八つ当たりしているようにしか見えず、そんなに厳しい言い方しないでもと目を細めて観てしまいました。
あとプールの補修を回避させたいからプールの掃除をしろっていう割にはエゲツない量の砂が残っていて、それを掃除させるのはいくらなんでも酷じゃないかい?と思ってしまいました。改修するのに掃除させるのもどういうこった。
舞台なら目に見えない砂を想像できるので良いと思うんですが、いざ実際に砂を場面に出してみたらそんなわけあるかーい!の量なのでそこもモヤっとしてしまった部分だったなと思いました。
ココロがミクにブスは化粧しなくていい!と言い放つシーンもその論争って何の意味があるんだ?とこれまたむず痒くなってしまいました。阿波踊りするのが恥ずかしいと全くを持って繋がってなくてなんでやねんと思わず言ってしまいそうでした。

ラストシーンも個人的には中途半端だなーって思いました。雨降るシーンの整合性はさておいて、一通り阿波踊りするシーンくらいまでは欲しかったです。構えたところでエンドロール突入はなぁ…って残念な気持ちになりました。
あと砂を撒いて謎の宣言をしていったチズルの行動、まぁシンプルに迷惑やなって半分笑いながら観ていました。

どうも男性が敵としてしか視点が当たってない映画は居心地が悪く、それでいて「アルプススタンドのはしの方」の二番煎じ感は否めずで、ちょい捻くれたJKのギスギスとした会話を見せられた気分でした。
改めて「アルプススタンドのはしの方」の限定的空間のシチュエーションものとしての完成度を感じることができたのが収穫でした。
ジャケットと音楽は良いんだけどなぁ…。どうしてこうなった…。
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