オロゴン

水深ゼロメートルからのオロゴンのレビュー・感想・評価

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
2.4
これは青春映画ではなく不条理劇です。

干上がったプールに降り積もる砂は掻き出しても掻き出してもなくなる気配がありません。
『砂の女』を思い出すような地獄絵図の中、抑圧された若者がもがきます。

脚本の設定、アイデアが素晴らしいのですが、作品として高校生にこのような地獄のような強制労働を強いる社会への批評性がないことが残念でした。
高校演劇の脚本として高校生の方が書いたということだと思うのですが、これを商業映画にしようとした大人達が、高校生がこのような地獄を切実に表現しなければならない現実の社会の異常性に気づかないはずはありません。
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