こう

水深ゼロメートルからのこうのネタバレレビュー・内容・結末

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

劇場予告で観ようと決めていた。
"偶然そこに居合わせたら気になって帰れなくなった"感。

「水深ゼロメートルから」

舞台は水のないプール。
タイトルのセンスの良さに脱帽。

掃いても掃いても掃ききれないプールの砂は登場人物それぞれが感じるコンプレックスを象徴している様に思える。挙げればキリがない、文句を言っても無くならない。それでも砂をなくす努力を続けるか、逃げるか、やり方を変えるか。集めた砂をグラウンドに返してライバルに宣戦布告する演出は面白かった。側から見れば全く訳がわからないがそれで良い。それが良い。

「男とか女とか関係ない」

生物学的に構造が違う以上、関係ないと言い切るのは難しい。持って生まれた身体でどうこの世界と闘うか。敵は同い年の男子か、自分より可愛い女子か、身勝手な大人か、自分自身か…上手く説明できないけど大人と子供の間で何者にでもなれる可能性を感じる女子高生は無敵に思える。

思春期ならではのこの眩しさと危うさは『荒ぶる季節の乙女どもよ。』を彷彿とさせる。

黄色と青のコントラスト。
冒頭とラストに流れる音楽も良かった。

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高校生になった年の誕生日に姉からメイク道具一式をプレゼントしてもらったことがある。大人の仲間入りをしたような気分になったあの時の高揚感を思い出した。
こう

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