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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争のharunomaのレビュー・感想・評価

4.9
Trailer of a Film That Will Never Exist: Phony Wars Godard 2023 eng subs

それは何かのイメージだ。

ぼんやりしている。

二人が横に並んでる。

私の横に女性がいる。

見知らぬ女性だ。

自分は分かる。 


逝去をして、たかが20分の短編を、偉大なる遺作として千円とは言え、興行してはならない。こんなの無料配信に決まってる。ok.ru
ゴダールが生きていれば、youtubeで映写されていたはずだ。
とソ連サイレント映画への偏愛とは、ヌーヴェルヴァーグでも、アンドレ・バザンに喧嘩を売ったゴダールだけであった。
なんのことはなく、最後にストローブ=ユイレに近づいたということ。ストローブ的であるが、あくまでカラーなのがいいし、Canonの台紙。
ストローブと併映。凶暴性がなく、ゴダールの映画で、一番見やすいものとなっているのは気のせいか。新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷。

ほぼ半分以上に
『Notre Musique』
の音声をそのまま(「それは何かのイメージだ」夕方ではなく、午後の網目、路上のオルガ)、
そして赤いバッグの乙女、ジャーナリスト、フアン・ゴイティソーロではない男性。ハンナ・アーレント。リマスターの映像か。Drôle de guerre:ドロール・ドゥ・ゲール la drôle de guerre|奇妙な戦争(1939年9月から40年5月までの仏独両軍のにらみ合いが続いた時期)
偽の戦争。非対称。非中枢的知覚。フィクション。ゲームの規則。


だが私には覚えがない。

はるか彼方の出来事?

もっと先の?

どうでもいい。

私たちの貧しさは明確だ。

それがはっきりした。

鉄条網だらけの風景と、爆発で赤く染まる空。

文化からほど遠い廃墟なのだから、文化など忘れるべきだ。

無から築き上げよ。

火事のとき、家具を運ぶのはバカげてる。

敗者としての幸運をつかむのだ。



二人が横に並んでいる。

私の横に女性が。

見知らぬ女性だ。

自分は分かる。

それは何かのイメージだ。

ぼんやりしている


(弟が生まれたよ!)


よく晴れた日だった。

遠くまで見える。

でも、オルガのいる所までは見えない。

私は天使を得た




偽旅券 カルロッタ 引用箇所
https://drive.google.com/file/d/1ZchCJHPlW_hdXHwoxd7NKXK1jtAFfUcB/view?usp=sharing
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