二兵

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争の二兵のレビュー・感想・評価

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なんとゴダールの遺作だそうです。

しかも20分しかありません(!)

詳しくは省きますが、映画なのか予告編なのか、はたまたメイキングドキュメンタリーなのか、もはやまったくわかりませんでした。なんというか、一本の映画を作る過程、行為そのものを映画として現出させようとした??よくわかりません。なので点数は付けません。

とはいえ、決して不快な判らなさではなく、さまざまな引用の中にある娯楽系の映画監督の名前が出てきてビックリさせられたり、何故かノスタルジーや切なさを勝手に感じさせられる箇所もあったり。とにかくゴダールは最期までゴダールだったんだなあと唸らされました。といっても語れるほど観ていないですが。。。

生前の氏は、ピカソやマイルス・デイヴィスと同じで、既存の映画表現や映画文法に捉われず、一ヶ所に止まるところをせず、自らのスタイルをスクラップ&ビルドの繰り返しでひたすら追求し続けた人というイメージでした。

1960年代までのゴダール映画の撮り方は、皮肉にもその後の映画界に多大な影響を及ぼしましたが(なので初期の『勝手にしやがれ』や『気狂いピエロ』は、今観ると当たり前の撮り方ゆえ、すごく観やすい)、以後、加速し続けて、常に斬新な映画を提供し、唯一無二の存在であり続けた人というイメージでもありました。

ちなみにこれから観られる方は、ゴダールが20年前に撮った『アワーミュージック』を観ておいたほうがいいと思います。といっても自分も未見だし、今や観られる手段は限られてますが。。。
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