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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争のMALPASOのレビュー・感想・評価

3.3
20分しかない映画なので、寄り道で鑑賞できる。

「幸せなうちに死にたい」とスイスでの安楽死を選んだジャン=リュック・ゴダール監督の遺作『ジャン=リュック・ゴダール/aa遺言 奇妙な戦争』を観る。

「暗い部屋で黒猫を探すのは難しい。そこに猫がいなければ尚更だ」

ゴダールが監督・脚本・出演。手書き文字、絵、写真、映像のコラージュ。音が無かったり、あったり。死の直前まで調整していたという本当の遺作。製作はサンローランプロダクション。昨年観たアルモドバルの短編もここ。

さっぱり何を言ってるかわからない映画だった。トロツキーの名前が何度か出てきた。ロシアの革命家トロツキーについてはあまりよく知らないのだけど、アートなどに影響を与えているところが興味深い。以前、メキシコシティの「フリーダの青い家」の近くにあった「トロツキーの隠れ家」を見に行った事がある。映画の革命家ゴダールと革命家トロツキー。

一生「ヌーベルバーグ」だったゴダール。

いくつもの病気にかかっていたゴダールは安楽死を選んだ。スイスのこの制度には賛成。「死」についてたまに考える。「即死」なら突然でも受け入れるし、文句ない。死ぬと、天国とかあの世なんてなくて、寝て記憶がない時と同じ状態が続くだけだろう。「無念だったね」とかは、生きている人が思っている事で、死んだ人は何も思わない。
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