映画を撮る目的が人間関係に現れる感情の機微でも、物語でもなく、思想や主張の気がするけれど肝心のそこが読み取れなかった。
長回し、というよりはタルベーラの1シーンにおける尺の長さの感覚が他と違う、という感じがした。
白黒の理由は何なんだろう。要らないものを極力省いた演出が多かったので、色も余計な情報だったのかな。
ハッとするような絵力のあるシーンもいくつかあった。
暗闇の中で間近に見た時と、トレーラーが壊され広場に晒されたあとに見た時で鯨の標本の目玉の印象がまるで違ったのが不思議だったのと、
暴動のシーンは静かに淡々と進むその様がドキドキした。
一方で食堂のキスなど本当に意図がわからないシーンもちらほらあった。