友二朗

男はつらいよ 寅次郎紙風船の友二朗のレビュー・感想・評価

3.4
「今 何考えてるの」

ネクタイを締めて、就職試験を受けに行く寅次郎。しかも真剣に、愛を込めて。

しかし今回のこの関係は、恋なのだろうか。友の死がもたらした改心と発火。2人の掛け合いが少ないから、なかなか見えづらい。

なんとこの舞台にクリスマスが。曲が街中で流れて。この哀愁と温かさ、なんともクリスマス。寅さん...!女心を知ってくれ寅さん。その、相手の表情に気づいてくれ頼む。

不採用通知の郵便、こんな哀しいラストがあるだろうか。ただただ切ない。クリスマスとお正月の、この空気が切ない。

ラスト、漁船の別れで泣く自分。
お兄ちゃんが素敵過ぎる。

カラーテレビの料理番組でスタート。
大工の棟梁再登場。前の材料誤魔化し忘れられてないのジワる。

やー序盤、同窓会帰りの寅さん流石に最悪やなあ。とんでもねえキャラ登場。勝ち気で喜怒哀楽の振り幅がバグってる。寅さんがうるさくて逃げるってよっぽどのレベル。寅さん地理強くて渋い。ヘイリースタインフェルドに似てる。

謎の師弟関係のような、オモロい展開。
珍しく娘に塩対応を連発する寅さん。なんか知らんけど可愛く見えて来るアイコ。まじで意味分からん奇妙な出逢い。

ラーメン食べだぁい!が可愛いすぎる。

と思ったら更にインパクトが強すぎる兄貴登場。マグロ背負って半端ないスピードでとらやに突っ込んでくる兄貴。全身全霊でモノを喋る兄妹ジワる。

仲間のツネサブロウ。寅さんの顔の広さと世界の広さ、また逆の世界の狭さがなんとも言えぬ裏側を見せてくる。なんだか寅さん1人の、淋しく静かで暗いカットが増えた気がする。

もし病気になったら諏訪家、車家の迷惑になるしかないと悟り、改心して帰省する寅次郎。めちゃくちゃ真っ当な考えでビックリ。

「こんばんわ!晩飯これから?」ってガラッと庭から入ってくるタコ社長。ガラッ、じゃないよ。おもろすぎるやろ。

「社長、もう済んだから来てもいいよー」は流石に笑う。

所帯を持つ相談。温かく歓迎してくれるとらや一家。

真っ赤なJPSのキャップ可愛いな。
倍賞さん林檎剥く仕草綺麗。お正月さくら、毎回髪型綺麗。

そんな綺麗にタバコ吸われたら、吸いたくなるや。

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ハッハ、いくら使っても惜しくはねえさ、あの女房なら。気立は良いし、色っぽいし、お前にはもったいねえや。

分かった、約束するよ。

アイツは芯からアンタに惚れてるから。

だから、寅さんは亭主に会いに来てくれた、最後の友達よ。ありがとう。

何考えてるの?今。
人の一生についてよ。

私の顔を見るなり、心配かけてすまない、だって。
まともな挨拶じゃないか。
だから変なのよ!

今まで、どれだけお前達の犠牲の上に生きてきたか。さくらにとってはヤクザな兄貴、この車家にとっては大きな恥。
いいのよ今まで通りで。

良い女が泣くと、笛の根に聴こえるんだな。

そこらへんのダサいオッさん引っ掛ければ10万や20万なんか一晩だよ!!
なんでお前俺の気持ちが分かんねえんだよ!!
だって、いつも、お兄ちゃん家にいないじゃんよ!

俺が釣ってきたマグロです。食って下さい。刺身にしたら100人前は出来るから!ここ置きますよお!!

やっぱりいいのねえ、兄妹って。
君にもいるじゃないか。妹思いの兄さんが。

どうもありがとう。そんな風に言ってくれるの、寅さんだけよ。

君、寅さんの親戚?
そう、僕のダメ叔父さん。

お腹いっぱい、私幸せよ。

ね寅さん、私の亭主、道楽者だったね。

ごめん、不採用だって。
ハッハッハ、こらあとんだ三枚目だ。

寒空の下稼ぎに行くか。これが渡世人の辛いところよ。
友二朗

友二朗