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ゴジラ-1.0/Cのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0/C(2023年製作の映画)
4.8




“俺の、、、戦争が終わってないんです”







-1.0は劇場で鑑賞済み。

/Cの評判は周知していたが、観れずにいたのでアマプラ配信に超絶感謝!!!








先ず、本作品自体の感想についてはカラー版にて熱烈に綴っているので端折るとして、今回は白黒版としての作品意義やその素晴らしさについてを記し、備忘録として留めておこうかと。









オープニング前の【東宝】タイトルロゴよ!!!!!!






もうこれが既にアガるんよ。
白黒版の【東宝】タイトルロゴからの零戦不時着オープニングシーケンス。

素晴らしい


カラーでは違和感に感じるほどの鮮明さが、この白黒でここまで活きるとは。
山崎監督の繊細かつ計算され尽くした映像マジックに脱帽m(_ _)m

なるほど、、、どうやら監督はこっち(/C)が本腰だったんだな、、、と感じざるを得ない納得感と没入感。

時代設定、ゴジラの恐怖感、破壊描写やカオスな街並み、そして敗戦直後の“生”への執着と“絶望”への抗い。
全てにおいてカラーではキャッチし切れなかった“違和感”からくるナニカを取っ払ってくれて直線的に突き刺ささる。これはお見事。


シンプルなコントラストが恐怖を誘い、余計な鮮明映像描写に気を取られることなく、ゴジラの怖さや人々のドラマに入り込むことが出来るという意味でとにかく圧倒される。
そして、様々なゴジラ過去作、いや、過去名作映画へのオマージュに至っても、白黒にしたことによって遥かにそのリスペクトが伺える。




不思議だなぁ




この色彩が白と黒になる事での訴求力のパワーが、カラーの時と比較するとグンっと上がるのは何故?


前述した通り、これはやっぱり時代設定のお陰なのだろうか。
モノクロ有りきで作られたとしか思えない。


敢えて先行上映でカラーを投下させて多くの人々の支持を得る。
で、本当はこっちが本チャンでした〜と言わんばかりの/C後発パターン。


プロモーションがうま過ぎるぜ。









山崎監督特有のくっさい台詞説明や劇のような台詞回しも、白黒とする事でやけにハマるし、圧倒的に突き刺さったのは“安藤サクラ”の表情だけで訴えかける名演技の数々!
これがカラーの時よりも断然良い!
戦後に強く生き抜いてきた女性像を、ずば抜けた演技力で体現してくれている上、白黒描写によって一層のリアリティを演出してくれているのが最高すぎる。




また、神木隆之介クンや浜辺美波ちゃんのちょっと綺麗すぎじゃない?と感じたカラー版での肌感や現代っ子感も、今作(白黒)では全くと言って良いほど気にならないのも好印象。
寧ろ童顔で昭和顔の二人が妙にリアルになっちゃったからスゲェw






そして、最大級の魅力を引き出しているのが、何と言っても“ゴジラ”の怖さ!!!
もうこれは、過去作【特に初作】の復活!いや、それを上回るんじゃないか?
あの得体の知れない異物感や、更に黒々とゴツゴツと映る質感、驚異的なコントラストの果ての水中及び水面でのゴジラの登場シーン。


ヤバすぎる!



放射熱線の白や被爆のキノコ雲の色も、カラーの時の色とは別次元のぶち上がり演出になっている。










まだカラーもモノクロもどちらも観てない人に、どちらを薦めるか?




個人的には即答で 【 /C 】












あなたの戦争は、、、終わりましたか?
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