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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターのunkoのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

30年記念で4Kリマスターが公開に。
初観賞、劇場で観ることができてよかったです。

1800年代のスコットランド、娘フローラ(アンナ・パキン)と未亡人エイダ(ホリー・ハンター)は親の縁談でニュージーランドに住むイギリス人に嫁ぐ。エイダは言葉が喋れないが唯一のコミュニケーションで感情を表現するために使うのはピアノだった。
嫁いだ先のニュージーランドの粗野な地主ベインズ(ハーベイ・カイテル)はエイダのピアノを返す代わりの代償として不倫を求める。

映像が素晴らしいのです。嫁いでくるところから、ピアノが海上に。普通に考えると潮で一瞬でダメになるんだけど、まぁ映画ということで。
ニュージーランドの森林と蠅の音とか、自然の音が凄く聴こえてくるのと、それに相反する形で音楽が付けられている。
パンフレット等から知った情報ですが、ホリー・ハンターは実際にピアノが弾ける優位点で役どころを得たみたいで、ビジュアル的にも抜群なんですが、ピアノを弾くシーンが美しいのなんの。

逆に男のシーンが酷い。床下に潜り込むわ。男の締まりのない裸。すごく男のだらしなさを映像で見せつけてくるのもこの映画の見所だと思う。
男の性癖がきもいんですよね。この男に惹かれたこの女性も相当だと思いますが、娘がかわいそうね。
凄い演技で賞も獲ったと思いますが納得の演技でした(娘)。 

この映画の解釈として強い女性像と、人生を掴みとる選択と聞かされるとなるほどと思います。しかし個人的にはそこまで感じなかったな。むしろピアノと共に、逝くか逝かないかの無常さのほうが強く印象を覚えた。エンディングもこの女性主人公の心に何も灯っていないような感じ。
ボイスオーバーで語るんだけど、生が強かったってね。その後に出てくるシーンがとてもそうは思えない。
生きてるけど死んでる。そしてこの夫、妻がイギリスにいるんだよね?キャラクター自体もなんか薄寒いんだよね。
あげくエイダは未だに沈んだピアノと共に自身の姿を垣間見る生活を送っている。

何はともあれ、4Kの映像が綺麗で、ぜひ劇場で観れるときに観ていただきたい作品になっていると思います。
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