yuzame

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターのyuzameのレビュー・感想・評価

4.0
久しぶりに、
そして初めてスクリーンで見て
やっぱりめっちゃ面白かった。
エイダと娘ちゃんのコスチューム、
ヘアスタイルすっごい可愛い。

画面がうっとりするほど美しい。
額に入れて
飾っておきたくなるショットが
沢山あった。

この映画を初めて見た時
なんてエロいんだろうって思った。
「官能的」ってこういう事かと。
女性が監督、脚本の作品だという事にも
とてもドキドキした。
こんなにはっきりと、女性の目線で
女性の心の欲望、体の欲望を
表現された作品に触れた事が無かった。
それまでに知っていた
エロスとか官能的とかの
修飾語がついた作品は、
全てその内外に
(登場人物や作者や観客に)
「男の目」があって、そこに向けて
「エロを盛っている女性」
だったように思う。
だから安心して?とは変だけど、
見てられたけど、この作品は
マジで、見てられないくらい
ドキドキしたのを覚えている。

出てくるキャラクターの造形が
誰もかれもが凄かった。

エイダからは、母性を感じなかった。
娘とはとても親密なんだけど、
母親的な愛情は感じられなかった。
世間と自分との間に、
盾として立たせてるし。
エイダ自身も娘のままなんだなって。

女系家族の中の唯一の男子で、
権力を持ってるけど
若干馬鹿にされてるし、
優しい所もあるけど、
暴力的でもあってって言う
めちゃくちゃ拗らせたパーソナリティの
サムニール演じる旦那。
ベインズの家を覗いてる彼の手を
犬が舐める描写、
なんであんな事思いつくんだろw

その母親と妹たちの
ゴシップ好きな雰囲気。

めちゃくちゃその日暮しな感じで、
適当ですごく楽しそうだけど、
自己実現とか夢とかとは無縁そうだから
羨ましいかと聞かれれば、
そうでも無いっていう現地の人々。

口を聞かない母の代わりに
世間とコミュニケーションを
取ってあげる娘。
母親の役に立っているって言う自負が
強くある。
だから蔑ろにされる事は嫌。
もー!怒ったぞ!
アンナパキンは全く演技に見えなかった。
凄かった。彼女の歌声、笑い声、悲鳴。
声が凄く良かった。
凄くエロい作品なんだけど、
彼女のおかげで
イノセントな雰囲気に
バランスが保ててると思った。

ベインズの無骨な見た目からは
とても想像つかない
恋愛に真っ直ぐで、
少年の様なナイーブさ。
恋煩いで寝込んじゃう中年w

美しくて面白くてエロくて、
とにかく最高だった。
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