芦田友郎

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスターの芦田友郎のレビュー・感想・評価

4.0
封切時に観て以来約30年ぶりに鑑賞。流石に年取ると、観ていて刺さり方も変わってくる。エイダを見てると「強い」と言うより、もうなんか怖い。鍵盤贈るなよ・・・・・・こんな言い方も陳腐で気が引けますが、女性監督ならではの迫力、説得力を感じます。運命に流されながらも全力で生きる不器用な人達がガンガンにぶつかる様が「映画的」で、とにかく心が揺さぶられる。ちょっと違うかもですが「(フェリーニの)道」みたいな。
女性を自分の所有物の様にしか考えられないスチュアートはフラれてやむなし。しかし、家に閉じ込めたエイダにあんな事されて、いい気になって閉じ込めるのをやめた途端にまた浮気されては逆情するのも分かるぞ!
あと、不器用に愛情を示すベインズにエイダが惚れるのは分かる(好きな人の服の匂いを嗅いでしまうのは自然な愛情の発露。変態とか言わないでぇ)として、何がきっかけでベインズがそこまでエイダに惚れたのか謎。
なお、映画だと分かりにくいところ(娘の父親って誰なん?とか)は後からネットで調べたり(小説出てるんですね)確認、まあ納得。
当時買ったサントラを引っ張り出してきて聴いた。当時はメイン(CDに楽譜が付いていた)の「楽しみを希う心」ばかり聴いていたが、今は終曲(エンドロール)にグッときて何回も聴いてしまう。